今日、親父と話していたら兄が僕と話をしたいそうだ。
今まで、細々としたトラブルことがたくさんあったよな。
二つ年上の貴方が家から居なくなったのは僕が十五の時でした。
貴方を恐れている僕にとっては快適な家庭生活を始めることとなりました。高校を出てからずっと貴方も俺もそれぞれの仕事を持ち、話をすることなんてほとんど無かった。
仕方がない。お互いの人間性があまりにもかけ離れていたのだから。
けむたかった。お互いにな。
三年ぶりに家に帰ってきた貴方となんと話せばよいのか分からなかった。
よくない連中とつるんで二十五にしてすでに疲れ切っているように見えた。
その時の僕はとても忙しい毎日を送っていて家には眠りに帰るだけ。
今、思えば、少しくらい無理をしてでも話しとけばよかったかな。
聞けばみんなその歳くらいで家族、兄弟、友達ともよい、大人の関係を築いていたそうな。
その後の二年間、貴方は色々と模索しながら、今の仕事に就いた。
凄く頑張ったんだろね。
貴方が成長して行くのを隣の部屋で伺いながら、僕はHeavyな仕事のなかに埋没し自分を見失ってゆきました。
そして、突然の病。
自分が何でこんなつまらないものに取りつかれてしまったのかは、当時の自分だけが知っています。
貴方がどうやってよくなっていったのかを貴方自身がよく知っているのと同じです。
悪くなってゆく僕にどうしたのか?なんて、聞かれても、よくなってゆく貴方には同じ男としては口が裂けても言えなかった。
一度拒否してしまった貴方に今なら、言えるだろうか。聞けるだろうか。