80年代を代表する、日本のミクスチャーパンクロックの先駆けとも云えるスカバンド、レピッシュの元キーボード奏者、上田現さんが三月に肺癌で亡くなっていたことを昨日の深夜、テレビで知りました。
バンドの音楽性からは想像がつきにくいですが、初期にはブルーハーツやニューエストモデルとも比較され、日本語でロックを奏でると結う事の難しさに挑戦しつづけたバンドでした。
レピッシュを脱退したあとはソロとしての活動や音楽プロデューサーとして活動し、元ちとせさんの「ワダツミの木」や「ハイヌミカゼ」を手懸けたことで知られています。
ワダツミの木とゆうのは上田さんの創作であり、架空のものであったらしいのですが、上田さんの死後(奄美地方だったか沖縄地方だったか聞き逃しましたが)発見された新種の木にその名が付けられたそうです。白い綿毛のような小さな可憐な花をつけている木でした。
番組の最後で元さんが「現ちゃんが私に産み落としてくれた楽曲をこれからも大事に育ててゆく」と目を輝かせながら語っていたことが印象に残ります。
まだ、寝呆けてる僕の頭のなかで流れています。
『赤く錆びた月の夜に
小さな船を
うかべましょう
うすい透明な風は
二人を遠くに遠くに
流しました
どこまでもまっすぐに
進んで
同じ所をぐるぐる廻って
星もない暗闇で
さまよう二人がうたう歌 波よもし聞こえるなら
少し、声をひそめて
私の足が海の底を
捉えて砂にふれたころ
長い髪は枝となって
やがて大きな花をつけま した
ここに居るよ
あなたが迷わぬように
ここに居るよ
あなたが探さぬよう
星に花は照らされて
伸びゆく木は水の上
波よ、もし聞こえるなら 少し、今声をひそめて
優しくゆれた水面に
映る赤い花の島
波よ、もし聞こえるなら 少し、今声をひそめて』
現さん。今年の阪神はきっと優勝しますよ。
黄泉の国で彼女に出会えていることを願います。